ほんの数年前、日本のスタートアップ企業が3Dプリンターで作った節電義手を発表しました。
それまでの節電義手は150万円以上ととても高価な上に本物の腕に似せたデザインが主流でしたが、新しく開発された義手はリーズナブルな上にスマートなデザインが特徴です。
現在では世界中で多くの企業が新しい節電義手を発表。イギリスではオープンバイオニクス社が”ヒーローアーム“という製品を約5,000ポンド(約73万円)で国内向けに販売・実用化されています。
価格は従来の半額以下、そしてオシャレになった節電義手ですが、もちろん進化しているのは義手だけではありません。
腕はあるけれど上手く動かせない、ケガや病気が原因で手に麻痺がある人のために開発されたのが『NeoMano(ネオマノ)』というロボティックハンドです。
これさえあれば自分でコップに水を入れて飲んだり、自分で歯磨きをすることができるようになります。
グローブデザインのロボティックハンド
『NeoMano』は手に麻痺がある人の毎日にパワーを与えるために開発されたグローブデザインのロボティックハンドです。
脊髄損傷や脳梗塞による後遺症のほか、神経損傷に起因する人などに向けて作られており、デザインはやや大げさですが装着することでこれまで出来なかったことが自分でできるようになるでしょう。
例えば片手にコップを持ってもう片方の手で水を注いだり、片手に荷物を持ったままドアノブを回すことだって可能になります。
『NeoMano』はグローブとアクチュエーター、そしてBluetoothコントローラーの三つで構成されており、コントローラーはアームバンドを使って腕に装着することができます。
構造としてはとてもシンプルで、グローブの内側(指の腹側)にワイヤーが通されており、アクチュエーターが巻き取ったりリリースしたりすることで動作を可能にしているわけですね。
親指と人差指、そして中指にフィットするよう柔らかい素材で作られているということなので、装着感は見た目から想像するよりも良さそうですね。
“握る”と”つまむ”が可能に
手全体というわけではなく基本的には三本の指の動作をサポートするツールですが、この三本が使えるだけで日常生活がグッと快適になります。
構造上バラバラに動かすことはできないので、握るか放すか、もしくはつまむという動作が可能です。
ただし握れる形状やつまめるサイズには制限があるので覚えておきましょう。
微妙な力加減が難しいので柔らかいものを掴むのが難しいかもしれませんが、固いものなら内側のシリコンコーティングがしっかりグリップしてくれるので快適にホールドできます。
滑り止めは読書をする際に便利ですし、『NeoMano』があれば本を持ったまま簡単にページをめくれるようになるでしょう。
“自分でできる”ことが自信につながる
昨日まで一人で出来なくて諦めていた行動を、今日から一人でできるようになるとしたらこれほど嬉しい事はないですよね。
誰かのサポートが無くてもある程度のことが自分でできるようになれば、自信の回復にもつながりますし何より日々のストレスが大幅に軽減されます。
また、できることが増えれば楽しみも増えますし、生活にメリハリも生まれるでしょう。
慣れるまで多少の訓練は必要ですが、出来なかったことが出来るようになっていく行程は苦痛よりも喜びが勝るはずです。
『NeoMano』の本体価格は¥107,590となっており、手が届く範囲とは言っても決して安い金額ではありません。
今の環境を変えたい、自分に自信を取り戻したいと強く願うなら主治医に相談して導入を検討してみてはいかがでしょうか。
参照元:Rakunew