真空管と聞くと昔のテレビをイメージする方は少なくないと思いますが、オーディオにも使われているのをご存知でしょうか?
柔らかく独特なサウンドは一部のオーディオマニアから根強い人気があり、中には至高のサウンドを求めて自作してしまう人もいるほど。
今回はそんな真空管アンプのおすすめをピックアップ。
前半では選び方や特徴を。後半ではHacktsu編集部が厳選したおすすめモデルをご紹介します。
Contents
- 1 真空管アンプの特徴
- 2 真空管アンプの選び方
- 3 おすすめの真空管アンプ20選
- 3.1 AIYIMA/TUBE-A3
- 3.2 Nobsound/NS-08E
- 3.3 Nobsound/NS-10P
- 3.4 AIYIMA/TUBE-T2
- 3.5 AIYIMA/TUBE-A5
- 3.6 FX-AUDIO-/TUBE-01J
- 3.7 Dilvpoetry/R50
- 3.8 ELEGIANT/真空管パワーアンプ
- 3.9 FX-AUDIO-/TUBE-04J
- 3.10 Nobsound/P1 PRO
- 3.11 TOYOSO/P1
- 3.12 Nobsound/dj420
- 3.13 RFTLYS/EA1A
- 3.14 Reisong/MT-34 MKII
- 3.15 Willsenton/R8
- 3.16 MHaudio/UA-1
- 4 お気に入りの真空管アンプを見つけて、自分好みの音に出会おう
真空管アンプの特徴
真空管アンプというのは、アンプの回路に真空管を採用したもので、あたたかみのある柔らかな音が特徴です。
ちなみにアンプというのは小さな電気信号を大きな音で鳴らせるよう増幅するのが役目であり、一般的にボリューム調節に関わるプリアンプ部と、スピーカーを鳴らすのに関わるパワーアンプ部に分かれます。
真空管アンプの場合はこの一方、もしくは双方で真空管が増幅素子として使用していて、信号増幅時に偶数次の歪み(自然音に多く含まれるもの)が多く付加されることで人間が好む倍音が増加させるのです。
一般的なアンプと比べて場所を取る、真空管自体に寿命があるためランニングコストがかかるなどのデメリットがありますが、真空管アンプが今なお多くのサウンドマニアから愛されているのはその特徴的で魅力的な音色のおかげといえるでしょう。
真空管アンプがおすすめなのはこんな人
音質だけにこだわりたいなら、物理特性で優れる最新のハイエンドモデルを選ぶのが正解です。
では真空管アンプはどんな方に向いているのか、それはズバリ音の生々しさを追求したいと考えている方といえます。
それぞれの楽器の良い所や場の雰囲気の再現性に優れるので、全てを忠実に再現してしまうデジタル式よりも温もりのある音が楽しめるのです。
さらにある程度の置き場所が必要になることもあり、自宅でリラックスしながら魅力的な音で音楽を楽しみたい方にもおすすめですよ。
真空管アンプの選び方
真空管アンプを選ぶ上で最低限押さえておきたいポイントは音質と出力の2つです。
他にも真空管の種類やハイレゾ対応の有無といった項目をプラスすれば、自分好みの音により近づく事ができるでしょう。
音質で選ぶ
真空管アンプには管が1つのシングルアンプと、左右に2つずつ搭載されているプッシュプルアンプがあります。
どちらを選ぶかは真空管アンプ選びにおいて究極のテーマであり、スピーカーやウーハーの性能が十分なものなら音質重視のシングルアンプで対応可能です。
一方で音の繊細さよりも密度が欲しい、中低音域のボリュームが欲しいとなればプッシュプルアンプが有効。
あくまでスピーカーの性能が十分である前提ですが、音色の繊細さを求めるならシングルアンプ、音の厚みや密度を求めるならプッシュプルアンプと覚えておくといいでしょう。
出力で選ぶ
これもシングルアンプにするかプッシュプルアンプにするかに繋がりますが、普段聞いている音量がそこまで大きくない方なら10W以下の出力でも問題ありません。
一方で普段聞いている音量が大きめの方は、出力10W以上を目安に選ぶことをおすすめします。
一般的にトランジスタアンプと比べて歪が緩やかとは言われていますが、あまりに大きな音では真空管アンプならではの良さが出づらくなることも。
真空管らしい柔らかい音を楽しみたいなら、このあたりを加味して選ぶといいでしょう。
初心者はプリメインアンプがおすすめ
一口にアンプといってもプリアンプとパワーアンプの2種あると言いましたが、初めの内はプリアンプとパワーアンプが一体化したプリメインアンプがおすすめ。
真空管アンプの主流で種類が多く、操作が簡単な上に初期コストを抑えるのにも有効です。
慣れてきてある程度知識がついてきたら、それぞれ別に揃えてセッティングするセパレート式にチャレンジしてみるといいでしょう。
おすすめの真空管アンプ20選
ここからはHacktsu編集部が厳選したおすすめの真空管アンプを、価格順でご紹介していきます。
AIYIMA/TUBE-A3

AIYIMA/TUBE-A5 ¥3,356
今回ご紹介する中で最もリーズナブルですが、それもそのはずこちらはセパレート式のプリアンプです。
高音調整範囲±6dB/低音調整範囲±10dBとなっており、電源までついてこの2個価格ですからなかなか驚かせてくれます。
真空管は6J1に対応しており、付属するのは“北京管”ですのでジャズやクラシックなどを楽しみたい方におすすめ。
ちなみに本製品だけでは音を出すことはできません。プリアンプはあくまで音を整えるものですので、初心者の方は気をつけしましょう。
Nobsound/NS-08E

Nobsound/NS-08E ¥4,798
手のひらサイズのプリアンプで、真空管は6J9に対応しています。
かなりリーズナブルなので、性能には期待できないのかと思いきや侮るなかれ。作りもしっかりしていて真空管らしい音がちゃんと楽しめます。
スマホで音楽を聞くときなど、本製品を通すだけで音質がぐっと良くなるはずですよ。
人によっては「ヘッドフォンで音量をあげるとノイズが気になる」ということですが、同様に感じるならパワーアンプに繋いでスピーカーで聞くと厚みのある音が楽しめるでしょう。
Nobsound/NS-10P

Nobsound/NS-10P ¥4,780
6J1真空管対応のコンパクトなプリアンプですが、予想を裏切るシャープでクリアな音が楽しめます。
トーンコントロールができて電源まで付属するので、『TUBE-A3』よりはやや高ですがコスパはかなり優秀です。
真空管アンプに興味があるけど踏み切れずにいる、良い音に興味があるけどそこまでお金がかけられないとお悩みなら、まずは本製品を試してみてはいかがでしょうか。
AIYIMA/TUBE-T2

AIYIMA/TUBE-T2 ¥5,133
Bluetooth5.0対応のプリアンプで、AUXとの切り替えがワンタッチと使い勝手は良さそうです。
トーンコントロールにも対応していますし、137×120×35mmとコンパクトかつデザイン性が高いのも魅力。
付属するオリジナル真空管をそのまま使うのもいいですが、せっかくなら自分好みの音質を探してあれこれ交換してみるのも面白そうです。(6J1対応)
プリアンプといえどもこの価格でBluetooth対応製品はそうありませんから、音源をスマホで考えているなら最有力候補になるでしょう。
AIYIMA/TUBE-A5

AIYIMA/TUBE-A5 ¥5,244
初めて真空管アンプを使用する方におすすめなのが、音質と使いやすさを両立したこちらのプリメインアンプです。
トーンコントロールからボリューム調整までこれ1台でできる上に、Bluetooth接続にも対応しているので、スマホからCDプレイヤーまで幅広く対応できるのも特徴となっています。
使用する真空管は6J4というタイプで、レビューを見る限りでは十分な基本性能が搭載されているようです。
音によほどこだわりが無い限り不満を感じることはまずないでしょう。ちなみにBluetoothコーデックがaptX対応というのも大きなポイントです。
FX-AUDIO-/TUBE-01J

FX-AUDIO-/TUBE-01J ¥5,420
FX-AUDIO-は国内のメーカーで、中国製オーディオの内部部品変更や再設計を行うことで高品質&低価格を実現しています。
本製品も例に漏れず、内部パーツのほとんどがオーディオに定評のある大手メーカー製のものに変更されており、耐久性の向上にも一役買っているようです。
入力ゲインの差による音歪みの欠点を改善するためのゲイン設定機能(0/-6dB)も搭載。一度使ったら手放せなくなるかもしれません。
また、軍用管が標準で付属してくるのも本製品の魅力。精度誤差が少なくなって特性が揃うので、より良い音と響きを提供してくれます。
Dilvpoetry/R50

Dilvpoetry/R50 ¥6,499
真空管6J4を2本使用+半導体オペアンプ5532×2によるバッファ回路を搭載したことで、アナログな見た目とデジタルの処理の高音質が楽しめます。
手のひらサイズでも50W+50Wの大出力を発生できるのは、小型で高効率のD級アンプチップTPA3116D2が使われているからです。
プリメインアンプなので本製品だけでトーンコントロールからボリューム調整まで行えますが、より自分好みにしたい場合は真空管を交換すると良いでしょう。
Bluetooth4.2対応でコーデックはaptXが採用されています。手頃なヘッドフォンアンプをお探しの方にオススメですよ。
ELEGIANT/真空管パワーアンプ

ELEGIANT/真空管パワーアンプ ¥6,880
大きさからは想像できない100Wの大出力で、音をしっかり出せる小型プリメインアンプです。
ある程度のスピーカーさえ用意できれば、重量級のアナログアンプにも引けをとらない良質なサウンドが楽しめます。
トーンコントロール機能搭載で使いやすく、ボリューム調整ノブもカチカチ+程良い重さで操作感は抜群。
「BluetoothとAUXの切り替えスイッチが裏面にあって不便」などマイナスポイントはいくつかあるものの、音質重視で選ぶなら良い選択肢になってくれるでしょう。
FX-AUDIO-/TUBE-04J

FX-AUDIO-/TUBE-04J ¥7,580
再びFX-AUDIO-から、真空管(6K4)+デジタルパワーアンプ(YAMAHA YDA138)のハイブリッドプリメインアンプをご紹介。
トーンコントロール機能は搭載していませんが、豊かな表現力と自然で嫌味がない良質なサウンドを楽しむことはできます。
「スピーカーにつないで音量を上げると歪みが気になる」というレビューが多いので、ヘッドフォンアンプと使用するのが良さそうです。
真空管×デジタルアンプの組み合わせのおかげか中低音がしっかりしているのも好印象を与えてくれます。
Nobsound/P1 PRO

Nobsound/P1 PRO ¥9,980
3系統のオーディオ入力(Bluetooth/USB/RCA)と2系統の出力(RCA/3.5mmジャック)に対応したプリアンプです。
見た目良し、音質よし、機能充実と良いところしかないですが、あくまでプリアンプですのでしっかり鳴らすためにもパワーアンプは別で用意しましょう。
トーンコントロールのON/OFF機能に加えてLEDのON/OFFやカラー切替までできるのは嬉しいですね。
この価格帯でUSBDACがついているものは珍しいので、お探しの方にとっては嬉しい発見といえるのではないでしょうか。
TOYOSO/P1

TOYOSO/P1 ¥10,888
ブラックとゴールドのツートンカラーでとても高級感がありますが、ほぼ1万円というアンプとしては比較的リーズナブルな価格で購入できます。
機能的には前述のNobsound『P1 PRO』とほぼ同等で、こちらも3系統のオーディオ入力と2系統のオーディオ出力に対応しています。
プリアンプですがヘッドフォンアンプとしても使用可能となっており、スピーカーに繋がないなら単体でも十分に活躍してくれるでしょう。
クリアで滑らかなサウンドは真空管アンプならでは。Withコロナで自宅にこもりがちですが、良い音で大好きな音楽を聞きながらまったり過ぎすのも悪くないですよ。
Nobsound/dj420

Nobsound/dj420 ¥29,700
このあたりから価格はカツっと上がりますが、ワンランク上の音質を追求する方にまずおすすめしたいのがコチラ。
時間とコストのかかる手動溶接を採用することで音質の真現実度を保証。細部までこだわることで、パワフルなだけでなく繊細で滑らかな音を実現しています。
また、抗磁力トランスカバー採用でノイズの低減にも成功しており、クリアで聞き疲れしないサウンドを存分に楽しむことができますよ。
天板いっぱいに並んだ真空管と2個のメーターによりアナログ感満載の仕上がりとなっていますので、インテリアにこだわりがある方にもおすすめです。
RFTLYS/EA1A

RFTLYS/EA1A ¥36,449
プリアンプ部に12AX7×1と6N1×2、パワーアンプ部にオーディオ用真空管としては最もポピュラーなEL34×2を搭載したプリメインアンプです。
8W+8Wの出力を有しますが、小音量でも高品位なサウンドが楽しめるA級回路を採用しているので初心者にもおすすめの1台に仕上がっています。
ヘッドフォンアンプも搭載しているので、大きな音を出せない場合や一人でじっくり音楽を楽しみたいときにもおすすめですよ。
標準で真空管保護カバーが付属しており、ペット(特に猫)を飼っている家庭でも安心して使うことができますよ。
Reisong/MT-34 MKII

Reisong/MT-34 MKII ¥65,449
プッシュプル構成をリーズナブルな価格で実現しており、5Z4P×1とEL34B×4、それから6N1J×3を搭載。
大出力化しやすいウルトラリニア接続を採用することで、25W+25Wの出力を実現しています。
また、この製品の良い所としてボリュームよりも繊細さを優先させる3極管接続が選択可能です。
高能率スピーカーをお使いの場合や、すでにデスクトップシステムが構築されているならぜひお試しください。
Willsenton/R8

Willsenton/R8 ¥108,999
GT管のKT88×4をメインに、6SN7×3と6SL7×2が標準で搭載されています。
この内KT88をEL34に交換可能となっており、それぞれの音質傾向の違いが手軽に楽しめるのも魅力。
また、鳴らすスピーカーや環境によってパワー感を調節できたり、内部プリアンプを使用しないパワーアンプ入力に対応するなど便利な機能を多数搭載しています。
アンダー10万円でKT88三極管接続の音色が楽しめる希少な存在であり、デザインや仕上げの良さも助けて所有欲もしっかり満たしてくれるでしょう。
MHaudio/UA-1
クラウドファンディングサイトGREEN FUNDINGで大反響の真空管アンプで、誰でも使える実用性と“本当に良い音”の両立を実現しました。
さらには造形の立体感や存在感、触り心地に至るまで、音楽を聞く道具にとどまらない楽しさが感じられる仕上がりになっているのも特徴です。
真空管+デジタルのハイブリッド式を採用したため、消費電力が少なくエコロジカルなので屋外での使用にも最適。
プロが認めるハンドメイドメイドオーディオメーカーHMstudioが作る『UA-1』は、今なら1台69,800円(税込)から入手が可能となっており、プロジェクトは2021年1月31日まで公開中とのことです。
プロジェクトページURL:https://greenfunding.jp/lab/projects/4272?utm_medium=GREENFUNDING&utm_source=Portal
お気に入りの真空管アンプを見つけて、自分好みの音に出会おう
Withコロナの“巣ごもり”によるものか、ここに来て注目度が急激に上がっている真空管アンプ。
アナログな見た目からとっつきにくいですが、その音色は一聴の価値ありですので、気になっている方はこの機会にぜひチャレンジしてみてくださいね。
※掲載価格は2020年12月1日時点のものです。