釣った魚をその場で締めるなど、美味しく持ち帰るための処理に欠かせないツールといえばフィッシングナイフです。
1本あれば十分ですが、
「一般的なナイフとの違いは?」
「刃物を持ち歩くことになるけど捕まらないの?」
などなど釣りをする多くの方が疑問に感じたことがあるのではないでしょうか。
ということで今回は、おすすめのフィッシングナイフをピックアップしつつ、選び方や携行する上での注意点についてもご紹介します!
Contents
フィッシングナイフの種類を知ろう
一口にフィッシングナイフと言っても、実は大きく分けて3種類あることをご存知ですか?
ターゲットにする魚のサイズに合わせて選ぶといいですよ。
ライトゲームにおすすめのスライドナイフ
アジやメバルなどの比較的小さめの魚を狙うなら、カッターのようなスライド式のフィッシングナイフがおすすめです。
気軽に使える、持ち運びがコンパクトで楽、メンテナンス性が高いなど多くのメリットがあり、価格がリーズナブルなのも魅力。
メーカーによっては交換用の刃が販売されているので、錆びたり切れ味が落ちたら手軽に交換して使えるのもいいですね。
ミドルクラスの魚を狙うならフォールディングナイフ
小〜中型の魚に使うなら、折りたたみ式のフォールディングがおすすめ。
サバやロックフィッシュなどが該当しますが、しっかり握れて使いやすいので渓流に持ち込んでトラウト(マス類)に使用するのもいいですよ。
ただし、構造上ウロコなどのゴミや汚れが隙間に詰まりやすいので、釣行中も小まめに掃除するようにしましょう。
大型の青物だって捌けるシーフナイフ
地磯や沖堤に行ったり、船に乗って大型の青物をターゲットにする方は、刃と柄が一体のシーフナイフがおすすめです。
見た目はよくあるナイフですが、一般的なものよりタフな作りになっており、耐久性が高く力を入れやすいのでブリやカンパチもザクザク捌けます。
ただし、刃と柄が一体型のため、他の2種類に比べてサイズが大きい(長い)です。
また、携行時は付属のサヤに入れる必要がありますし、少々荷物になるということを覚えておきましょう。
フィッシングナイフの選び方
ここからはフィッシングナイフの選び方についてご紹介します。
ターゲットのサイズに合わせて選ぶ
一にも二にも、まずは使いやすいサイズを選ぶことが大切。
アジングやメバリングに行くのにシーフナイフでは役不足ですし、そもそも出番がないかもしれません。
反対に地磯に行くのにスライドナイフでは力不足もいいところ。血抜き程度しかしないなら問題ないですが、高確率で不便に感じることでしょう。
刃の素材やグリップ形状で選ぶ
川の上流でしか使わないという方ならそこまで気にする必要はないものの、河口や海で使うなら錆びにくくメンテナンスが容易なステンレス製がおすすめ。
価格は上がりますが、耐食性を高めた鋼材(H-1鋼など)や安定しているチタン製のものもいいですね。
グリップは握りやすく滑りにくいものがベター。手が濡れた状態で使用する機会が多いですし、魚はほとんどのケースで暴れるのでしっかり握れないと怪我に直結します。
補足:フィッシングナイフを携行する際の注意点
むやみやたらに刃渡り6cm以上の刃物を持ち歩く行為は、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)に違反します。
では釣りに行くときはどうなのでしょうか。これは釣りが“正当な理由”として認められているため、刃物を携行しても罪に問われることはありません。
しかし、通勤通学や釣り以外のレジャー時に、車にフィッシングナイフが積みっぱなしだったなんて場合には銃刀法違反に該当します。
また、刃渡り6cm以下であっても正当な理由なき場合には軽犯罪法によって取締の対象になることがあるので、釣りの後メンテナンスも兼ねて必ず自宅に持ち帰るようにしましょう。
おすすめのフィッシングナイフ
フィッシングナイフの種類や選び方がわかったところで、いよいよおすすめのフィッシングナイフをご紹介していきます。
前半はメーカー別でご紹介していますが、後半ではクラウドファンディングで話題になった高機能フィッシングナイフもピックアップ。
好きなメーカーで選ぶもよし、デザインで選ぶもよし。もしもまだ持っていないなら、下記の中から選べば失敗リスクを大幅に下げることができますよ。
ダイワ製のフィッシングナイフ4選
釣具メーカーでは一、二を争う知名度を誇るダイワから、4種類のフィッシングナイフをご紹介します。
Daiwa/キャップデバ85 04910215

Daiwa/キャップデバ85 04910215 ¥1,431
分類としてはシーフナイフになりますが、サヤ(キャップ)が折りたたみ式になっているというまさに釣りに特化した製品です。
グリップは握りやすい形状&滑り止め加工が施されているおかげで操作性は抜群。
刃の素材にはサビに強いステンレス鋼が使われており、刃渡りは82mmとなっています。
全長20.5cmと比較的コンパクトなので、アジングを始めとしたライトゲームから大物狙いのジギングに至るまで幅広く活躍してくれるでしょう。
Daiwa/フィールドポケット

Daiwa/フィールドポケット ¥686
刃渡りが約65mm、グリップ部分が約100mmのスライドナイフで、刃先がしっかり尖っているだけでなくナイフらしく弧を描いているのが特徴です。
刃は薄めで研げばみるみる減っていきますが、名前の通りポケットにもすっぽり収まる小ささは釣り人にとってかなり魅力的。
グリップのエンド部分には落下防止用のスパイラルコードやリールケーブルをつなぐ穴が設けられており、使い勝手はかなり良さそうです。
国産メーカーのフィッシングナイフが1,000円以下で購入できるとあって人気は上々。予備としてタックルボックスやゲームベストに入れておいてもいいでしょう。
Daiwa/フィッシュナイフ 2型

Daiwa/フィッシュナイフ 2型 ¥1,277
切れ味とポータビリティーを両立させたい方から人気のフォールドタイプで、刃渡りは約8.4mmとなっています。
サビに強く切れ味長持ちのステンレス鋼を使用していますが、さらにフッ素加工を施して長期使用を可能にした『2型+F』もラインアップ。
力がかかる親指の付け根と小指の位置に滑り止め加工が施されているので、力が必要なときでもぐっと握れて安心。
ライトブルーやアーミーグリーンといった個性的なカラーがチョイスできるので、人とかぶりたくない方にもおすすめです。
Daiwa/フィールドナイフ SL-78

Daiwa/フィールドナイフ SL-78 ¥1,443
スライド式を採用していますが、刃の出し入れがよりしやすい設計になっているだけでなく、刃をしっかり固定できるストッパー機構が搭載されているのが最大の特徴です。
刃渡り78mmとやや短いものの、通常使用で不便に感じることはまずないでしょう。
ダイワのフィッシュナイフは、例えスライド式でも研いで切れ味を復活させられるのも魅力の一つ。
「同価格帯のナイフでは切れ味が1番」と評価しているユーザーがいるほどですので、マズメや時合いなどサクサク処理したいときにも良さそうです。
シマノ製のフィッシングナイフ2選
ダイワと並ぶ釣具メーカーの双璧であり、品質の高さには定評があります。
フィッシングナイフの種類は多くありませんが、間違いのない選択肢を提供してくれています。
SHIMANO/シース小出刃 CT-511N

SHIMANO/シース小出刃 CT-511N ¥2,177
3mm厚のフッ素加工済ステンレスブレードを採用しており、一般的なフィッシングナイフと比べてサビに強く長期間の使用にも耐えられます。
グリップが長く刃が短いので取り回しがとても良く、血抜きから下処理まで快適に行えそうです。
また、付属の樹脂製ケースは装着するとカチッとハマってくれるので携行中も安心。釣りだけでなくキャンプ用としてもおすすめ。
出荷時点ではそこそこの切れ味しかないということですので、できれば釣行前に一度研いでから使うとこのナイフの真価を体感することができるでしょう。
SHIMANO/スライドナイフ CT-911R

SHIMANO/スライドナイフ CT-911R ¥830
「スライド式でかっこいいのないかな〜」なんてお探しでしたら、こちらの『CT-911R』で決まりです。
切る、締める、捌くとナイフの基本機能は十分にこなしてくれますし、ガッチリロック機構のおかげで携行中にうっかり刃が出てしまうこともありません。
SHIMANOのナイフはグリップ形状が握りやすくカッコいいので、そこが気に入って愛用している方も多いのではないでしょうか。
リーズナブルで軽量な点も高評価につながっており、ファーストフィッシングナイフとしても人気があります。ギフトにもおすすめですよ。
がまかつ製のフィッシングナイフ2選
中級者以上の釣り人から高い支持を獲得しているがまかつは、フィッシングナイフも本格派!
お値段は決して安くありませんが、高級感もあるので所有欲をしっかり満たしてくれますよ。
がまかつ/フィッシングナイフ GM1569

がまかつ/フィッシングナイフ GM1569 ¥4,681
ブレード素材には6Aステンレスという愛知製鋼で作られたステンレスが使われており、研ぎやすいので長期に渡って愛用できる逸品です。
グリップ素材には強化木を採用。手にしっくりと馴染む握り心地ですので、魚をしめる・さばくが快適かつ楽しくなることでしょう。
刃渡りが90mmあるので用途は広いですが、保管方法はシースに挿し込んでおくだけとシンプルなものでロック機構はありません。
出荷状態でよく切れるため、少し刃が出ているだけでも怪我の原因になりますから、取り扱いには十分な注意が必要です。
がまかつ/フィッシングナイフ GM2014

がまかつ/フィッシングナイフ GM2014 ¥6,151
アメリカ・ボーイと呼ばれるブレードパターンを採用しており、素材にはサビに強く高耐久な440ステンレス鋼が使われています。
ズシッとくる重量感がある大型ナイフで、釣行だけでなくアウトドアシーン全般で活躍してくれること間違いなし。
本革製のケースにはロック機構がついており、裏面にはベルトループもついているのでベルトやヒップガードにかけて携行することもできます。
「出荷状態ではあまり切れない」というレビューをよく見かけるので、購入したら一度しっかり研いてあげましょう。
ベルモント製のフィッシングナイフ2選
釣りやアウトドア関連のアイテムを製造販売しているベルモントは、名前からはわかりませんが実は新潟県三条市にある国産メーカーです。
高品質ながら価格は比較的リーズナブルで、クッカーはキャンパーから高い評価を獲得しています。
Belmont/フィッシング出刃 105mm

Belmont/フィッシング出刃 105mm ¥1,182
「家に帰ってからだとやる気が起きないから、できるだけ現地で捌いて帰りたい」という方におすすめしたいのがこちらの小さな出刃包丁です。
フィッシングナイフのコンパクトさと出刃包丁の使い勝手を足して2で割ったような製品で、峰にはウロコ取が設けられています。
「錆びやすい」というレビューが多いので、長く愛用したいなら小まめなメンテナンスが必要不可欠。
コスパが良いというわけではないものの、このサイズで出刃をお探しの方には有力な候補となるでしょう。
Belmont/フォールディングナイフ MP-177

Belmont/フォールディングナイフ MP-177 ¥2,291
ブレードの厚みが3mmあり、しっかりと力が入れられるので魚をしめるのに重宝しそうです。
フォールディングナイフなのでシースが無くても安全に携行でき、グリップエンドにはカラビナが付いているのでバッグやベルトループにかけておけばすぐにアクセスできるのも魅力。
手前側にある波刃(セレーションブレード)は魚をさばく以外にもロープを切るのに非常に有効で、登山やクライミングも趣味にしている方なら一石二鳥ですね。
ただし、刃渡りが90mmあるので日常的に持ち歩くと銃刀法に違反していまいます。スタイリッシュでカッコいいですが、携行管理はしっかり行いましょう。
その他のフィッシングナイフ4選
ここからは「メーカーにはこだわらないよ」という方におすすめしたいフィッシングナイフをご紹介していきます。
第一精工/MCナイフ

第一精工/MCナイフ ¥864
オルファ製ステンレス刃を採用しているため、切れ味が落ちてきたら専用の交換刃に交換するだけ。
ライトゲーム用とありますが青物狙いでも十分に使えますし、使いっぱなしでもそう簡単に錆びないためズボラな方にもおすすめですよ。
様々な釣具をミリタリーテイストにしたMCシリーズは、主にライトゲームユーザーからの人気が高く、こちらのナイフ以外にもフィッシュグリップやダストケースなどをラインアップしています。
カラーはブラック・フォリッジグリーン・ダークアースの3色展開。MCシリーズで揃えると統一感が出ますし、価格が1,000円以下とリーズナブルなのも魅力です。
Rapala/RCD FOLDING FILLET KNIFE 5″ RCDFF5

Rapala/RCD FOLDING FILLET KNIFE 5インチ RCDFF5 ¥2,860
刃渡りが12cmと長いですが、シュッと細くて薄いので大きさを感じさせない使い勝手が人気につながっています。
フォールディングタイプなので携行性に優れるのも◎。ロックバック式を採用しており、使用中はブレードがしっかり固定されるのもいいですね。
ソフトグリップはグローブをしたままでも滑りにくく、もちろん濡れた状態でもしっかり握れて力を込めることが可能。
ジャブジャブ洗えるので釣行後のメンテナンスは容易ですが、トルクスネジを使用しているせいで分解に専用ドライバーが必要なため、サビの発生にはくれぐれも気をつけましょう。
Morakniv/Companion

Morakniv/Companion ¥2,090
アウトドア趣味をお持ちの方ならご存知かもしれませんが、耐久性と切れ味に定評のあるMorakniv社のアウトドアナイフです。
入門用としても人気のナイフで、性能と価格のバランスはピカイチ。製品名の通り、1本あると良き“相棒”になること間違いなしです。
今回ご紹介する中では唯一釣り用ではないナイフですが、それだけ人気があるというのが実力を証明していますね。
アジなどの小さな魚ならストレス無く三枚おろしにすることも可能。シースケースは裏側にクリップが付いており、ベルトやバッカンに掛けられてかなり便利ですよ。
G・サカイ/ニューサビナイフ2 サバキ3寸

G・サカイ/ニューサビナイフ2 サバキ3寸 ¥6,484
塩水に3日間つけて錆びるかどうかというかなり挑戦的な実験をして、見事H-1鋼の実力を証明したフィッシング用のシーフナイフです。
小型~中型魚用として開発されましたが、先端にしっかり厚みがあるので牡蠣などの貝類をこじ開けるのにも使用できます。
耐久性が高く刃持ちもいいので、「セルフで研げる気がしない・・・」という方にもおすすめです。
切れ味が落ちてきたら研ぎ屋さんにお願いしましょう。頻度が低ければ砥石を買うより安いですし、何よりよく切れる仕上がりで帰ってくるのでお試しあれ。
高機能なフィッシングナイフ
クラウドファンディング発の高機能ナイフで、ギフトにもおすすめの1本です。
サカナイフ
“どんな魚も簡単にさばける”というコピーはまるで誇張表現のようですが、魚をさばくのにここまで特化した包丁はおそらく存在しなかったでしょう。
先端はトレースラインを入れるためのJ形状の刃、峰には安全設計のウロコ取り、そして点で身を削ぎ切るR形状の刃に、手前側は骨をたやすく切断する波刃と4種類の刃を1本に凝縮。
握りやすさを追求したグリップ素材にはガラス繊維強化ナイロンを採用、そして肝心のブレード素材にはステンレスよりも錆びにくいH-1鋼が使われています。
両刃なので、利き手が左右どちらでも使用OKというのも魅力。現在は一般販売が開始されているので、気になった方はAmazonなどから入手可能です。
プロジェクトURL:https://www.makuake.com/project/sakaknife/
お気に入りのフィッシングナイフを持って釣りに行こう!
ということで今回は、Hacktsu編集部おすすめのフィッシングナイフをご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
専用設計の刃物はガジェットと同じ男心をくすぐるアイテムですよね。
この記事を読んでいるあなたもお気に入りのフィッシングナイフを見つけて、釣りライフをさらに楽しいものにしましょう。
※掲載価格は2020年10月28日時点のものです。