都市と自然のちょうど中間あたり、人が暮らす環境に隣接していて人が利用してきた山のことを「里山」と呼びます。
里山は40年ほど前から急激に人口が減りだして、近年では草木が乱雑に茂ったヤブになっていたり、場所によってはゴミの不法投棄上になっていたりします。
日本国内においてすでに里山でなくなってしまった場所というのは多数あり、ここにきてようやく里山の重要性が見直されるようになってきました。
里山のイメージが湧きにくいという人はドラえもんに登場する裏山なら想像しやすいのではないでしょうか。
厳密に言うと里山ではありませんが、街と自然のちょうど中間であり人が利用する環境にある山といった点では同じです。
そんな里山の事を本気で考えるジビエオンラインマーケット『Forema(フォレマ)』というサイトに今回はスポットライトを当ててみようと思います。
日本最大級のジビエ食材オンラインマーケット
『Forema』では野生の猪や鹿といったジビエの他にも副産物である角やレザー製品、間伐材を使用したアウトドアアイテムなどを多数販売しています。
近年その存続が危ぶまれている里山で獲得できる「自然界の恵み」を専門的に取り扱う数少ないオンラインマーケットであり、料理好きな人はもちろんのことアウトドア好きな人にとっても有益な媒体であることを目指しています。
『Forema』で販売されているものの一例を挙げると鹿と猪のお肉を堪能できる「ジビエBBQセット」やエクステリアにぴったりな「原木のスライス」、「ジビエっぽいコーヒーカップ」などラインナップは多岐に渡ります。
食材だけでなくジビエを使ったレシピも公開されており、下処理のやり方から美味しく仕上げるポイントまで細かく掲載掲載されているのが特徴です。
オープンの背景にあるのは深刻な害獣被害
近年ジビエという単語を耳にする機会が飛躍的に増えたと思いますが、背景にあるのは野生の鹿や猪による農作物被害の深刻化です。
害獣が関係した農作物被害は年間200億円を有に超えており、駆除された野生の鹿や猪は年間で約83万頭にのぼります。
駆除された動物たちはこれまで埋めて処分されることが大半でしたが、道義的にも生産性の観点からも改善の余地があることは言うまでもありません。
こうした害獣の食肉を少しでも有効活用すべく注目されたのがフランス料理の狩猟肉を指す「ジビエ」であり、全国山間部の自治体などが商品開発や広報活動に注力して現在に至っています。
しかし農作物被害はそこまでしても増加の一途をたどっており、駆除が追いつかないばかりか取扱ジャンルの特殊さゆえ販路のインフラが整っていないという現状が見受けられます。
そこに注目したのが『Forema』の始まりであり、害獣駆除という無益な殺生をせめて有益な経済活動に転化することを目指してオンライン販売といった形式で食品に対する新たな価値観の普及に貢献してます。
侵略的外来種も美味しくいただく
最近では「侵略的外来種」の存在が注目を集めており、毎週日曜夜7時から放送されている「鉄腕DASH」(日本テレビ系列)においてもコーナーが設けられているほどです。
このコーナーは「グリル厄介」といって内容はTOKIOのメンバー数名と専門家の加藤英明氏が現地を訪れて「侵略的外来種」を捕獲、都内の有名レストランに持ち込んで食材として利用してもらい美味しくいただこうというもの。
『Forema』と同じベクトルで企画が進行しているわけですが、その認知度ゆえに動物愛護の観点からは批判があったりと賛否両論が分かれる企画となっているようです。
こうした取り組みは確実に各地に拡がってきており、従来のただ廃棄するだけよりは生産性の向上にもつながっていることは事実です。
賛否両論あるのは編集されているとはいえ番組内で捕獲シーンを放送することに対してだと思いますし、今後もこうした活動はさらに拡がっていくことは間違いありません。
それがたとえ殺生につながるとしても、美味しくいただくことができれば決して「無駄」ではないと思うのです。
肉食な人は一度覗いてみてください
日頃スーパーなどで見かけるよりも圧倒的にワイルドな食材の画像が並んでいますので、お肉好きにはきっとたまらないのではないでしょうか。
今後も取扱食材のラインナップは増えていくことが予想されますので、ますます『Forema』の活動から目がはなせません。
参照元: Forema