車やバイクを趣味にするなら最低限は揃えたい整備工具。
メーカー製のものはなかなかに高いですが、耐久性や使い勝手が安物とは段違いなので、長期間使用することを踏まえてもできればきちんとしたものを選びたいところ。
そこで今回は、世界中からおすすめの工具メーカーをピックアップしてご紹介します。
製造国によって工具の特徴がちょっとずつ異なるので、それぞれを知ることで用途に合った工具選びをしましょう。
Contents
世界のおすすめ工具メーカー5選
まずはプロ御用達の海外工具メーカーからご紹介します。
Snap-on

Snap-on/ドライバー 6本セット SHDX60R ¥19,664
アメリカのウィスコンシン州に拠点を置く大手工具メーカーで、ソケットレンチを発明したことでも知られています。
自動車ディーラーやモーターレースの整備などプロから絶大な信頼を獲得しており、使ってみればわかる堅牢性と精度の高さはさすがの一言。
販売方法はフランチャイズ方式を採用したバンセールスというスタイルを取っており、ここ日本においても店舗や整備工場にバンがやって来て工具を販売したり修理したりしています。
また、『Snap-on』の工具は消耗品や計測機器を除いて無期限保証がついており、保証規定内であれば購入から何年経とうとも修理、または交換が可能。
まれに保証規定外(通常使用範囲の消耗による故障や破損)でも修理や交換に対応してもらえるケースがあるようですが、これはバンセールスの厚意によるもので絶対ではないとのこと。(以前は消耗による修理交換にも対応していました。)
保証規定が厳しくなってから“手厚い補償制度”という魅力が半減したものの、デザイン性や品質の高さで今も変わらない人気を維持できているというのはすごいですよね。
MAC TOOLS

MAC TOOLS/1/4コンパクトラチェット MR4C ¥8,980
『Snap-on』と並ぶ高級工具の双璧であり、同じくアメリカ発の工具メーカーです。
品質・値段ともに超一級で、デザイン性の高さもピカイチ。ツナギとかかなりカッコいいので、来てるだけでテンション上がります。
販売方法も同じくフランチャイズ方式のバンセールススタイルを採用。基本的には『Snap-on』のバンと日時をずらしているようですが、稀にかぶってしまうこともあるのだとか。
特殊な工具の取り扱いが多く、滅多に使わないような珍しい工具も探してみたら案外見つかるかもしれません。
ちなみに『MAC TOOLS』も“生涯保証”を掲げており、ハンドツールは通常使用の範囲内であれば故障や破損による修理・交換に対応してくれます。(消耗品など一部製品を除く)
トルクレンチやエアツール、油圧工具などには個別の保証期間が設定されているので、購入する場合はバンセールスの方とよく話し合って決めましょう。
CRAFTSMAN

CRAFTSMAN/8pc コンビネーションラチェットレンチセット 22984 ¥8,900
前2つのメーカーに比べると品質は劣りますが、購入しやすい価格ということもありアメリカではポピュラーな工具メーカーの1つと言えます。
元はSEARSという小売業界最大手のプライベート工具ブランドだけに、取り扱っている工具セットの種類が多いのも特徴です。
日本ではあまり見かけませんが、アメリカのホームセンターでは必ずと言っていいほど置いてあり、現地では「クオリティは『CRAFTSMAN』で十分だよ」「『CRAFTSMAN』ならすぐ手に入る」と絶大な支持を獲得しているのだとか。
ちなみに日本で購入したいならコストコに行くのがおすすめ。Webでも購入できますが、実物を見て選べるっていうのはやっぱり安心感が違いますよね。
ハンドツールだけでなく電動工具や特殊工具、ツールボックスまで充実しているので、必要な工具を一式揃えることも可能です。
SIGNET

SIGNET/40点入メカニックツールセット SG-4018 ¥30,214
比較的リーズナブルで高品質な工具が揃っており、デザイン性の高さにも定評があるカナダ発の工具メーカーです。
リーズナブルな秘密は取り扱っている工具は全てOEMだから。自社製造はしておらず、出来上がっているモノにブランド名だけ入れて販売しています。
機能性もありますがファッション性がとにかく高く、事実“見た目重視”で選ぶサンデーメカニックが跡を絶ちません。
ただし、OEMなので全てが高品質というわけではなく、若干のギャンブル要素があることも覚えておきましょう。
とはいえ、見極めることさえできればおしゃれかつ高品質な工具がリーズナブルな価格で入手できるので、整備に対するモチベーションを上げたい方にはおすすめです。
HAZET

HAZET/ドライバーセット 6本組 810/6 ¥2,063
1868年にドイツで設立された老舗工具メーカーであり、モノづくり大国らしい作業性と安全性を重視したデザインが特徴です。
日本国内ではベンツやフォルクスワーゲンにカースペシャルツールを供給、海外ではポルシェモータースポーツのサポートを行うなど実績があるのも魅力。
型の設計製作・材料の加工・熱処理といった製造工程を全て自社設備内で行うなど、品質管理を徹底しているのも『HAZET』の特徴と言えるでしょう。
『SIGNET』のように派手さはありませんが、使い込むほどに良さを実感できる“いぶし銀ツール”をお探しなら要チェックです。
日本のおすすめ工具メーカー5選
次は国産の工具メーカーを5つご紹介します。
KTC

KTC/コンビレンチセット TMS208 ¥6,755
まずは日本を代表する工具メーカー『KTC(京都機械工具)』から。
“軽くて強くて使いよい”を基本とする工具の開発製造を続けており、今では10,000以上の製品をラインアップしています。
品質、耐久性ともに折り紙付きですが、国産としてはトップクラスの高級工具なだけに揃えるとなるとかなりの出費を覚悟しましょう。
最近ではトルク管理をタブレットで行えるデジタルトルクレンチ『トルクル』を販売するなど、整備業界にもスマート化の波を起こしました。
生産数・アイテム数ともに国内No.1の実績がありますので、「海外工具は入手しにくくて・・・」という方にはとてもおすすめです。
TONE

TONE/ビットラチェットセット BRS20 ¥2,218
プロ整備士の方でも「トーンの工具」と呼んでいる方がいるほど紛らわしいですが、正式名称は国内メーカーだけあってまさかのローマ字読みで“トネ”です。
リーズナブルかつ高品質な工具を取り揃えており、ホームセンターで取り扱っていることもあるため、『KTC』とまでは行かないまでも「見たことあるかも」という方は多いはず。
「初心者だけどある程度ちゃんとした工具を使いたい」という方におすすめで、初心者でなくともコスパ重視なら『TONE』をチョイスすれば間違いありません。
国産だけあってたくさんのお店で取り扱いがありますから、整備中に「あ、これ持ってない!」となっても買いに行けるのが良いですよね。
デザインも比較的シンプルな物が多いので、あまり派手なツールが得意じゃない方も使いやすいでしょう。
Ko-ken

Ko-ken/Z-EAL 6角ソケットレールセット RS2400MZ/12 ¥5,918
静岡県に本社を構えており、ソケットレンチを専門で製造している工具メーカーです。
実際に売り場でもソケットレンチのみ並んでいる事が多く、作業性や使い心地については定評があります。
実戦向けのコンパクト設計が特徴で、国内だけでなく海外からも人気があるほど。
専門性が高いので初心者向けではありませんが、整備に少し慣れてきた頃には視野に入ってくるのではないでしょうか。
とはいえ最初から長期使用を想定しているなら、『Ko-ken』のソケットレンチをチョイスすることは大正解です。
価格はやや高めですが、安物を買って後悔するよりはよほどいいですよね。
ENGINEER

ENGINEER/ネジザウルスGT PZ-58 ¥1,549
工具全般というよりは頭の潰れたネジを外せる『ネジザウルス』がとても有名で、ホームセンターに行けば大体目立つ所に陳列されています。
本社は大阪にあり、創業は昭和23年と老舗ですね。電気・電子機器業のプロ向けの作業工具を開発・製造しています。
整備用工具としてはほとんど列挙されませんが、今回のように「国内の工具メーカーでおすすめある?」と聞かれた時のために覚えておきたいところ。
電気系の整備に欠かせない圧着ペンチやワイヤーストリッパーのクオリティはピカイチ。
整備初心者のうちはネジをナメさせてしまうことが多々あるので、代表製品の『ネジザウルス』を購入しておくときっと役に立ちますよ。
VESSEL

VESSEL/ソケットレンチセット HRW2303M-W ¥9,206
こちらも同じく本社を大阪に構えており、業界では日本初の量産ドライバーメーカーとして知られています。
他の工具メーカーがレッドやグリーン、イエローなど比較的目立つ色を採用する中、『VESSEL』は木目を採用するなどちょっと毛色が異なるのも魅力。
価格もそこまで高くないので、カッコよくて品質の良いドライバーをお探しなら候補に入れておくといいですよ。
ちなみにドライバー以外の工具も製造しており、ビットやソケットなども入手できます。
工具セットの選び方
海外と国内の工具メーカーの特徴がわかったところで、ここからは工具セットの選び方についてご紹介します。
一口に工具セットといっても様々なものがありますから、いくつか条件を絞って最適なセットを選びましょう。
用途に合わせて選ぶ
工具セットは大きく分けてDIY用(日常用)・車輌整備用の2種類があります。
DIY用にはドライバーやペンチ、カッターやモンキーレンチなどが入っており、家具のネジの緩みなど家庭内におけるちょっとしたトラブルにも対応可能です。
一方の車両整備用は、メガネレンチやソケットレンチなどナットやボルトに使える工具が揃っており、充実しているセットなら電気テスターまで付属することも。
車とバイクにおける工具の違いはほとんどありません。車輌購入にあたって初めて工具を購入する場合など、工具セット+αで揃えるといいですよ。
ケースで選ぶ
工具セットには樹脂製ハードケースに入ったものと、金属製ボックスチェストに入ったものがあります。
前者はDIY用、後者は整備用に多く、ちょっとした持ち運びには樹脂製のハードケースが便利です。
ガレージに据え置きで使う場合などは、容量が多く整理整頓がしやすいボックスチェストタイプがおすすめ。
重たいので持ち運びこそできないものの、セットになったものなら収納用のスポンジが付属したりとキチッと収納できますよ。
インチorミリ
工具セット選びで気をつけなければならないのは、工具にはインチとミリの2種類が存在しているということです。
これは車両整備用に限定されますが、アメリカ製の車やバイクにはインチ工具を、国産やヨーロッパ製の車やバイクにはミリ工具を使用します。
例えば、今まで国産バイクに乗っていたけど、アメリカンに興味が湧いてハーレーダビッドソンに乗り換えたとしましょう。
この場合、それまで使っていたミリ工具はサイズが合わなくて使えなくなるので、新たにインチ工具を購入する必要が出てくるということです。
お気に入りの工具メーカーを探してみては
国内でも海外でも高品質な工具というのは相応の値段がしますが、ネジやボルトにカチッとハマる気持ちよさを一度でも味わえばもう他の工具は使えません。
もしも親族や知人に整備士の方がいるなら、時間を合わせて試しに使わせてもらうといいですよ。
お気に入りの工具メーカーが見つかったら、特に理由がない限りは同じメーカーで揃えると、統一感が出て整備へのモチベーションもきっと上がるはず!
これから工具を選ぶときは、値段の安さではなく“使いやすさ”にぜひこだわってみてくださいね。
※掲載価格は2020年10月13日時点のものです。